夕野かのんの書斎

皆さんこんにちは、夕野かのんです。小説書きます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

零れた音の粒(オリジナル)

今、私はある物語を書いている。日記のようで日記ではない、手紙のようで手紙ではない、私にしか描けない物語を書いている。同じ題材で誰かが書き始めたとしても、絶対に同じ内容にも、リズムにも、色使いにもならない、そんな物語を書いている。 この物語を…

ちょっとした小話

皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。お久し振りの方はお久し振りです。夕野かのんです。この度は「黒く、赤く、そして白く。」と「差し込む光、光合成」をお読み頂き、誠にありがとうございます。さて、堅苦しい挨拶はこの辺にして本題に入りま…

差し込む光、光合成(オリジナル)

あの少年も、気付けば高三になっていた。彼自身、今では当時の自分が相当無理をしていたことを理解しているし、二度とあんな思いをしたくない、と思っている。だからこそ、今では自分の好きなことに蓋をして、誰かに合わせて自分の趣味を作り変えよう、とは…

黒く、赤く、そして白く。(オリジナル)

少年は「死にたい病」を患っている。この病気は、毎日毎日、ただただ、「死にたい、死にたい」と呟くだけのものだ。以前、彼は自分のスクールバッグに付けていた、魔法少女アーモンドちゃんのアクリルキーホルダーを何処かに落としてしまった。たったそれだ…