夕野かのんの書斎

皆さんこんにちは、夕野かのんです。小説書きます。

君に薔薇の花束を

 君が楽しそうに、くるくる、と回っている。君の動きに合わせて、君のスカートも、まるで生きているかのように、ふわっ、と空気を吸い込み、ふわり、ふわり、と回っている。
 僕が君にプレゼントした、黒いスカート。君のことを想って、僕が選んだこのスカートは、僕の物、と言うには、恐れ多い程に、君によく、似合っている。

 愛は、信頼とか、友情とか、恋愛とか、嫌悪とか、全てに一致すると、僕は思う。
 それは、赤くて、ピンクで、爽やかで、妙に、生々しい。
 僕が君抱く感情は、こう言う感じ。

 僕は、君のことを、信頼しているのか、友達だ、と思っているのか、恋をしているのか、嫌っているのか、自分でも、いまいちよく解っていない。それでも、一つ、確かなことは、僕が君を愛している、と言うことだ。
 この思いは、例え、君が、男だろうと、女だろうと、人間だろうと、怪物だろうと、きっと変わらない。僕が君を愛している、と言う、ただ一つの真実。

 だけど、僕はこの思いを、絶対に、言葉にはしたくない。アイラブユー、とか、愛してる、とか、そんな在り来りな言葉で、簡単に僕の気持ちを言い表すことはできないし、簡単に口にできてしまう程、君に対する僕の思いは軽いものではない。それに、口にしたら、その瞬間、僕の想いは、風船みたいに、何処かに飛んでしまいそうで、君がいなくなりそうで、凄く、怖い。きっと君は、そんな在り来りな言葉でも、愛を伝えてほしいんだろうけど。
 それだけ、今の僕は、君がいないと生きていけなくて、今、君がいなくなったとしたら、今の僕の心は死んでしまうんだ。それ程に、僕は君に執心しているし、何より君を愛している。